外部のシェフや専門家にレストランの監修を依頼したいものの、料金の相場が分からず予算組みで止まってしまう飲食チェーン・ホテル運営会社の担当者は少なくありません。本記事では、レストラン監修で使われる4つの料金体系の相場感と、金額を左右する要因を公開データとともに整理します。
レストラン監修の料金相場|4つの契約形態と金額を左右する要因を解説
レストラン監修の4つの料金体系
レストラン監修の契約形態は、大きく4つのパターンに分類できます。それぞれ相場感やリスクの分担のされ方が異なります。
1. 月額顧問型(固定報酬型)
毎月一定額を支払い、定期的な訪問やオンライン打合せを通じて継続的に助言を受ける形態です。隣接領域である飲食コンサルティング全体の公開データでは、月額顧問契約の相場は月10万円〜30万円が中心とされ、個人経営の小規模店1店舗であれば月5万円〜30万円程度、複数店舗運営や高度な戦略立案まで含む場合は月30万円以上、時に50万円を超えるケースもあると紹介されています(※1)。レストラン監修に特化した統一相場ではありませんが、稼働頻度や店舗規模による価格帯の目安として参考になります。
2. プロジェクト単価型(一括契約型)
新メニューの監修や開業時のメニュー構成づくりなど、範囲を区切って一括で依頼する形態です。飲食コンサルティング全体では、プロジェクト単価の相場は数万円〜50万円程度と幅があるとされています(※1)。またメニュー開発領域に絞った公開データでは、レシピ開発のみを依頼する場合の相場は1品あたり3万円〜5万円とされ、フードコーディネーターや著名シェフに依頼する場合は別途監修費が加算されるケースがあると説明されています(※2)。メニュー数が多いほど、また試作を繰り返す難易度の高いメニューほど、総額が積み上がっていく傾向があります。
3. ロイヤリティ型(売上連動型)
売上高または客数に一定の料率を乗じて支払う形態です。レストラン監修そのものの料率統計は確認できていませんが、同じ飲食業のフランチャイズ契約では、売上歩合方式のロイヤリティ率は3%〜10%が一般的な範囲とされ、業態によっては1%〜4%程度に低く設定されるケースもあると紹介されています(※3)。監修契約でロイヤリティ型を採用する場合も、このレンジ感が交渉の目線合わせとして参考になります。ロイヤリティ型の考え方や料率が決まる変数については、シェフ監修のロイヤリティ相場|料率の決め方・契約形態・注意点を解説でさらに詳しく解説しています。
4. ハイブリッド型(最低保証+歩合)
月額の最低保証額を設定したうえで、実績が一定水準を超えたら追加でロイヤリティを支払う形態です。監修者側の稼働に対する最低限の対価を確保しつつ、双方が売上拡大に対するインセンティブを持てる設計として、新規開業時や新業態立ち上げ時に選ばれる傾向があります。
| 契約形態 | 相場イメージ | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 月額顧問型 | 月5万円〜30万円程度(店舗規模・稼働頻度による)※1 | 継続的な関与が必要な既存店の運営改善 |
| プロジェクト単価型 | 1品3万円〜5万円、または案件単位で数万円〜50万円程度※1※2 | 新メニュー開発や開業時の一括監修 |
| ロイヤリティ型 | 売上の3%〜10%程度(隣接領域の参考値)※3 | 売上見通しが立ちにくい新規出店・新業態 |
| ハイブリッド型 | 最低保証額+超過分の歩合(個別交渉) | 監修者の稼働対価と成果連動を両立したい場合 |
金額を左右する5つの要因
同じ「レストラン監修」という契約でも、金額には数倍の開きが生じます。主な要因は次の5つです。
1. 監修範囲の広さ
レシピの味見・助言に限定するのか、仕入れ先の選定や調理オペレーションの指導まで含むのかによって、稼働負荷が大きく変わります。業務範囲が広いほど、月額顧問料やプロジェクト単価は高くなる傾向があります。監修とプロデュースの業務範囲の違いは、店舗プロデュース監修とは?依頼の流れと費用相場、監修との違いを解説でも解説していますので、依頼したい範囲を整理する際の参考にしてください。
2. 店舗数・チェーン規模
単店舗の監修と、多店舗チェーン全体を対象にした監修とでは、稼働量も影響範囲も異なります。店舗数が増えるほど、横展開料の加算や年間契約への一本化など、料金体系そのものが変わることも珍しくありません。
3. 監修者の知名度・実績
メディア露出の多い著名シェフほど、商品・店舗への訴求力が高まるため、報酬水準も上がりやすくなります。一方で知名度と実務の相性は必ずしも一致しないため、費用対効果は稼働内容とあわせて総合的に判断する必要があります。
4. 契約期間・独占範囲
同業他社への監修提供を制限する独占契約か、非独占契約かによって料金は変わります。独占範囲が広く契約期間が長いほど、監修者側の機会損失を補う意味で金額が上がる方向に働きます。
5. 稼働頻度(訪問・打合せの回数)
月1回の定例訪問なのか、週次でのオンライン確認まで求めるのかによって、稼働時間が大きく異なります。稼働頻度は契約前に具体的な回数まで取り決めておくことが望まれます。
商品監修全般の依頼方法や、著名シェフに依頼する場合の一般的な費用相場・選定の要点については、商品監修とは?依頼方法と費用相場、シェフ選定の要点を解説もあわせてご確認ください。
料金交渉で失敗しないための実務ポイント
レストラン監修の料金交渉でよく見られる失敗には、共通したパターンがあります。
- 相場を調べずに希望額だけを提示してしまう:業界横断の統一相場表は存在しないため、隣接領域の公開データを参考にしつつ、複数の候補者から見積もりを取って比較することが現実的な進め方です。
- 監修範囲を曖昧にしたまま金額交渉に入る:範囲が曖昧なまま契約すると、稼働開始後に「これも監修範囲に含まれるのか」という認識のズレが生じやすくなります。
- 店舗数が増えた場合の料金変更ルールを決めていない:多店舗展開を見込んでいる場合は、店舗数が増加した際の追加費用の考え方を契約前に取り決めておく必要があります。
まとめ
レストラン監修の料金体系には、月額顧問型・プロジェクト単価型・ロイヤリティ型・ハイブリッド型の4つがあり、それぞれ相場感やリスクの分担のされ方が異なります。金額は監修範囲の広さ・店舗数やチェーン規模・監修者の知名度・契約期間や独占範囲・稼働頻度という5つの要因によって数倍の開きが生じるため、業界横断の統一相場表に頼るのではなく、隣接領域の公開データを目線合わせに使いながら、複数候補との個別交渉で条件を詰めていくことが実務上の現実的な進め方です。
参考資料
FAQ