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03Concept Development業態開発

業態開発で必要になる許認可|飲食店営業許可以外に確認すべき許可一覧

執筆: 旨味転生編集部読了目安 約7分

新しい業態を企画する際、飲食店営業許可さえ取得すれば開業できると考えがちですが、業態の内容によっては別の許可・届出が追加で求められる場合があります。本記事では、貴社が検討している業態のタイプ別に、飲食店営業許可以外で確認しておきたい許認可を、公開情報の出典とともに整理します。

飲食店営業許可だけでは足りないケースがある理由

飲食店営業許可は、客席で調理した飲食物を提供する営業の基本となる許可です。しかし業態開発では、単純な「イートインで料理を提供する」だけでなく、物販の併設、深夜の酒類提供、移動販売、テイクアウト専用の製造販売など、複数の要素を組み合わせた複合業態が企画されることが少なくありません。

こうした要素を組み合わせると、飲食店営業許可の対象範囲を超える行為が発生し、食品衛生法上の別区分の許可や、警察・消防など他省庁が所管する届出が必要になる場合があります。業態開発の初期段階でこの点を見落とすと、内装設計や什器発注のやり直し、オープン延期につながりかねないため、コンセプト設計の段階で一度整理しておくことが実務上重要です。

また、許認可の審査には一定の期間を要する場合があり、届出の種類によっては提出期限が営業開始日から逆算して定められているものもあります。オープン日を先に確定してから許認可の検討を始めると、必要な手続きの準備期間が不足するおそれがあるため、業態のコンセプトが固まった段階で、想定される許認可の洗い出しに着手しておくことが望ましいとされています。

食品の製造・小売を伴う複合業態で確認すべき許可

イートインスペースに加えて、商品の製造・小売を行う業態を企画する場合は、食品衛生法上の営業許可区分を確認する必要があります。2021年の食品衛生法改正により、営業許可(届出)が必要な業種は32業種に再編されており、飲食店営業以外にも、菓子製造業、そうざい製造業、複合型そうざい製造業、アイスクリーム類製造業、乳製品製造業、食肉販売業、魚介類販売業といった区分が設けられています(※1)。

たとえば、店内調理に加えて、焼き菓子やそうざいをテイクアウト・物販用に製造して販売する業態では、飲食店営業許可とは別に菓子製造業やそうざい製造業の許可が必要になる場合があります。複数の製造行為を一体的に行う施設向けには、複合型そうざい製造業のようにHACCPに沿った基準で運用できる区分も用意されているため、業態の製造工程を洗い出した上で、どの区分に該当するかを保健所に確認することが求められます。

酒類提供・深夜営業を伴う業態で確認すべき届出

居酒屋業態やバー業態のように、深夜0時以降も酒類の提供を主とする営業を行う場合は、飲食店営業許可とは別に、深夜における酒類提供飲食店営業開始届出が必要になる場合があります。この届出は、所轄警察署(生活安全・保安担当課)を経由して都道府県公安委員会に提出するもので、営業開始日の10日前までの届出が必要とされています(※2)。

一方で、ラーメン店やファミリーレストランのように、酒類の提供が主目的ではなく食事の提供が中心の業態であれば、この届出は不要とされています。業態のコンセプトとして「深夜帯の酒類提供をどこまで主軸に据えるか」によって要否が変わるため、営業時間帯とメニュー構成を決める段階で、所轄警察署に事前相談しておくと手戻りを防ぎやすくなります。

移動販売・キッチンカーを組み込む業態で確認すべき許可

実店舗に加えてキッチンカーによる移動販売を組み合わせる業態や、催事出店を前提とした業態を企画する場合は、自動車による食品営業の許可を別途確認する必要があります。自動車を用いた食品の調理・販売は、車内での調理内容や取り扱う食品の種類に応じて「販売業」または「調理営業」に区分され、出店予定地を管轄する保健所での許可取得が必要になります(※3)。

首都圏など一部の地域では、いずれかの保健所で許可を取得すれば近隣都県での営業が可能になる広域運用も行われていますが、対象範囲は地域や品目によって異なります。実店舗と移動販売を組み合わせる業態開発では、車両側の許可要件と、実店舗側の営業許可要件の両方を、それぞれ別個に確認しておく必要があります。

物販・リユースを組み合わせる業態で確認すべき許可

飲食スペースに加えて、什器や食器、アパレル雑貨などの中古品販売を組み合わせる複合業態を企画する場合は、古物商許可の要否を確認する必要があります。古物(中古品)を売買・交換する営業を行う場合は、営業所を管轄する公安委員会(警察署の生活安全担当窓口)への申請が必要とされ、取り扱う古物の区分をあらかじめ選定した上で申請する仕組みになっています(※4)。

飲食店の業態開発においては主目的になりにくい許可ですが、体験型・物販併設型の新業態を検討する場合には見落としやすいポイントのひとつです。物販の要素を業態コンセプトに含めるかどうかを決める段階で、対象品目が古物に該当するかどうかを確認しておくことをおすすめします。

店舗の規模・用途に応じて必要になる防火管理

業態の種類にかかわらず、店舗の収容人員や延床面積によっては、消防法に基づく防火管理者の選任が必要になります。収容人員が30人以上になる飲食店(従業員を含む)では、防火管理者の選任義務が生じるとされ、延床面積の規模に応じて甲種・乙種いずれの資格が必要かが分かれます(※5)。

テナント出店の場合、貴社が入居する区画の収容人員が30人未満であっても、建物全体の管理権原者側で防火管理体制が求められることがあるため、店舗単体の人数だけで判断せず、物件オーナー・管理会社側の防火管理体制もあわせて確認しておくと安心です。

業態タイプ別 追加許認可チェックの早見表

業態に含まれる要素 追加で確認したい許可・届出 主な相談窓口
物販・製造小売を併設 菓子製造業、そうざい製造業等(食品衛生法の営業許可区分) 保健所
深夜帯の酒類提供が主体 深夜酒類提供飲食店営業開始届出 所轄警察署
キッチンカー・移動販売を併設 自動車による食品営業許可 出店地を管轄する保健所
中古品・リユース品の販売を併設 古物商許可 所轄警察署(公安委員会)
収容人員30人以上の店舗 防火管理者の選任 所轄消防署

この表はあくまで検討の出発点であり、実際の要否は店舗の規模・立地・提供方法によって変わることがあります。業態の詳細が固まった段階で、各窓口に個別に確認することが必要です。

自治体・地域による運用差に注意する

許認可の基本的な枠組みは食品衛生法や消防法など全国共通の法令に基づいていますが、具体的な運用や申請様式、相談窓口の名称は、都道府県・市区町村ごとに異なる場合があります。同じ業態であっても、出店する地域によって確認すべき窓口や必要書類が変わることがあるため、本記事のような一般的な整理を参考にしつつ、最終的には出店予定地を管轄する保健所・警察署・消防署に個別で確認することが欠かせません。

特に、複数地域への多店舗展開を前提とした業態開発では、1号店で確認した許認可要件がそのまま2号店以降にも当てはまるとは限りません。出店エリアを広げる段階では、各エリアの窓口へあらためて確認する工程を、標準的な出店準備フローの一部として組み込んでおくと、想定外の手戻りを減らしやすくなります。

許認可確認を業態開発プロセスに組み込むポイント

許認可の確認漏れを防ぐには、コンセプト設計が固まった直後、内装設計や什器発注に着手する前のタイミングで、想定業態の要素(製造・物販・酒類提供・移動販売・収容人員など)を一覧化し、関係窓口への事前相談を並行して進めておくことが実務上有効とされています。業態開発の事業計画書を作成する段階で、許認可の取得スケジュールを工程表に組み込んでおくと、オープン日からの逆算もしやすくなります。

また、複数の許認可が絡む業態では、保健所・警察署・消防署それぞれの担当窓口が異なるため、貴社側で確認事項を一元管理しておかないと、確認漏れや二度手間が生じやすくなります。窓口ごとの相談記録をまとめておく担当者を決めておくことも、検討に値します。

まとめ

業態開発では、飲食店営業許可を取得すれば完了と考えがちですが、物販・製造小売の併設、深夜の酒類提供、移動販売、中古品販売、店舗規模に応じた防火管理など、業態の内容によっては追加の許可・届出が求められる場合があります。いずれも法令・条例や自治体の運用によって細部が異なるため、本記事の内容を出発点としつつ、最終的な要否・手続きについては所轄の保健所・警察署・消防署・自治体窓口に確認することをおすすめします。

参考資料

※1 〔食品関係〕営業許可業種(32業種)(令和3年6月1日以降)|徳島保健所 ※2 性風俗関連特殊営業、深夜における酒類提供飲食店営業の届出|警視庁 ※3 自動車での営業|「食品衛生の窓」東京都保健医療局 ※4 古物商許可申請をされる方へ|警視庁 ※5 防火管理者が必要な防火対象物と資格|東京消防庁

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FAQ

よくある質問

飲食店営業許可さえ取れば新しい業態を開業できますか?
業態の内容によっては、飲食店営業許可だけでは対応しきれない場合があります。深夜の酒類提供、移動販売、食品の製造・小売を伴う複合業態、中古品の取り扱いなどを含む業態では、追加の許可・届出が求められることがあります。最終的な要否・手続きは、所轄の保健所・警察署・消防署・自治体窓口に確認することをおすすめします。
業態開発の企画段階では、どのタイミングで許認可を確認すべきですか?
コンセプト設計の初期段階で、提供する商品・提供方法・営業時間・出店形態をおおまかに固めた時点で確認しておくと、後工程での設計変更を避けやすくなる傾向があります。内装工事や什器発注の前に、所轄窓口への事前相談を済ませておくことが望ましいとされています。
複数の許認可が必要になりそうな場合、どこから相談を始めればよいですか?
まずは飲食店営業許可の所管である保健所に業態の内容を伝えて相談し、その上で酒類提供・移動販売・その他の要素について、警察署・消防署など関連する窓口の案内を受けて進めるやり方が一般的です。

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