本文へ移動
旨味転生Umami Tensei
03Concept Development業態開発

業態開発にかかる期間はどれくらい?企画〜出店までの標準スケジュール

執筆: 旨味転生編集部読了目安 約7分

業態開発にかかる期間は、コンセプト設計から1号店オープンまでで半年〜1年程度、そこから検証を経て多店舗化を判断するまでさらに数か月〜1年程度を見込む企業が多い傾向にあります。これは個人が飲食店を1店舗開業する場合の期間(最短3か月、平均4〜6か月程度)とは前提が異なります。本記事では、この違いが生まれる理由と、業態開発の工程別スケジュール、見落とされがちなリードタイムを整理します。

「業態開発の期間」と「飲食店開業の期間」は何が違うのか

「業態開発 期間」で検索すると、検索結果の多くは個人が飲食店を1店舗開業する際のスケジュール解説に占められています。テンポスフードメディアの解説によると、飲食店開業までに必要な期間は一般的に3〜6か月程度、最短で3か月、平均して4〜6か月が目安とされ、中古物件(居抜き)を活用できる場合は1〜2か月程度に短縮できることもあるとされています※1。

一方、本記事で扱う「業態開発」は、企業が新しい店舗フォーマット(誰に・何を・どう売るか)を設計し、複数店舗への展開を前提に検証を行う活動を指します。個人の1店舗開業と比べて、次の3点が工程として加わるため、期間が長くなりやすい傾向があります。

  • 1号店限定の需要ではなく、複数エリアでの再現性を見込んだ市場・立地調査
  • 1号店の成否を判断するためのテスト出店・検証期間
  • 社内での投資判断・多店舗化判断という意思決定プロセス

業態開発そのものの定義や手順については業態開発とは?新業態立ち上げの流れと成功条件を解説で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

業態開発の標準スケジュール(工程別の目安)

業態開発の期間は、大きく5つの工程に分けて考えると見通しが立てやすくなります。

フェーズ 主な内容 期間の目安
①市場・立地調査+コンセプト設計 商圏調査、競合分析、事業計画書の作成を含む 1〜3か月程度
②メニュー・価格設計/オペレーション設計 メニュー構成・原価設計、人員体制・調理動線の設計 1〜2か月程度(①と並行して進めることも多い)
③出店準備(物件・内装・許認可・採用) 物件契約、内装工事、許認可の取得、スタッフ採用 2〜4か月程度
④テスト出店・検証 1〜2店舗での試験運営、客単価・原価率・リピート率の検証 1〜3か月以上(季節をまたぐ場合はさらに長期)
⑤多店舗化の判断 検証結果の評価、投資回収シミュレーション、展開計画の策定 数か月〜1年程度

①〜④の合計がおおむね「コンセプト設計から1号店オープンまで半年〜1年程度」という目安に相当します。事業計画書の作成にかかる期間(市場調査・商圏調査を含めて1〜3か月程度が目安)については業態開発の事業計画書の書き方、テスト出店で検証すべき項目については新業態のテストマーケティング|出店前に検証すべき項目と手法を解説で詳しく解説しています。

期間を左右する3つの変数

居抜きかスケルトンか

既存店舗の居抜き物件を活用できる場合、厨房設備や内装の一部をそのまま利用できるため、改装範囲が小さければ1〜2か月、厨房設備の入れ替えを伴う場合でも3〜6か月程度と、スケルトン物件からの新規出店より工期を圧縮できる可能性があります。具体的な進め方や注意点は居抜き物件での業態転換の進め方で解説しています。

テスト出店の検証期間をどこまで取るか

テスト出店の検証期間は、明確な業界標準があるわけではありませんが、季節要因や曜日による波を把握するために最低でも1〜3か月程度、可能であれば四季をまたぐ検証が望ましいとされています。検証期間を短く設定すれば全体のスケジュールは短縮できますが、平日の集客力やリピート率まで見極めきれないまま多店舗化を判断するリスクとのトレードオフになります。

外部パートナーを活用するかどうか

市場・立地調査やコンセプト設計を外部の業態開発コンサルタントに依頼すると、複数業態・複数企業の立ち上げ経験に基づく初速の速さが見込める場合があります。特に、社内にゼロから市場分析を行うノウハウが蓄積されていない段階では、仮説の検証だけで数か月を要することもあるため、外部の知見を借りることで上流工程の期間を圧縮できるケースがあります。一方で、依頼する支援範囲(調査のみか、コンセプト設計まで含むか、テスト出店の伴走まで行うか)によって費用と稼働期間が変わるため、契約形態別の費用相場は業態開発コンサルの費用相場で整理しています。

スケジュールを組む際に見落としがちなリードタイム

業態開発のスケジュールを逆算する際、本体の工程だけでなく、次のような個別のリードタイムを見落とすと、オープン日直前になって手続きが間に合わないという事態が起こりえます。

  • 商標登録の審査期間:新業態の名称・ロゴを商標登録する場合、出願から最初の審査結果通知までに約5〜8か月かかるとされています(2024年3月時点の特許庁統計に基づく整理)※2。コンセプトが固まり、業態名が確定した段階でできるだけ早く出願しておくことが望ましいと考えられます。
  • 深夜酒類提供飲食店営業の届出:深夜0時以降も酒類の提供を主とする業態の場合、所轄警察署を経由した届出が営業開始日の10日前までに必要とされています※3。これ以外にも業態の内容によって追加の許認可が必要になる場合があるため、業態開発で必要になる許認可もあわせてご確認ください。
  • スタッフの採用・研修:多店舗展開を前提にオペレーションを標準化する場合、採用から研修完了までの期間を出店準備の工程に織り込んでおく必要があります。

期間を急ぎすぎることのリスク

投資回収を早めたいという事情から、テスト出店や市場調査の期間を切り詰めたくなる場面もあります。しかし、1号店の検証が不十分なまま多店舗展開に進むと、1号店限定の需要や話題性を実力と誤認したまま出店を重ね、2号店・3号店で採算が崩れるという典型的な失敗パターンにつながりやすくなります。多店舗展開で新業態が失速する具体的なパターンについては多店舗展開で新業態が失敗する典型パターンと回避策で解説していますので、スケジュールを検討する段階であわせてご確認いただくことをお勧めします。

期間短縮そのものを目的化するのではなく、「どの工程なら圧縮しても致命的なリスクにならないか」を先に見極める順番が実務的です。たとえば、物件契約や内装工事のような外部要因に左右されやすい工程はスケジュールの遅延リスクを保守的に見積もる一方、コンセプト設計やテスト出店の検証項目の絞り込みは、社内の意思決定次第である程度コントロールしやすい工程といえます。全体のスケジュールを立てる段階で、どの工程が「動かせる期間」で、どの工程が「動かせない期間(リードタイム)」なのかを切り分けておくと、後工程での手戻りを防ぎやすくなります。

まとめ

業態開発にかかる期間は、コンセプト設計から1号店オープンまでで半年〜1年程度、そこから多店舗化を判断するまでさらに数か月〜1年程度を見込む企業が多い傾向にあります。これは個人が1店舗を開業する期間(最短3か月、平均4〜6か月程度)とは前提が異なるため、貴社が検索している「業態開発の期間」が個人開業のスケジュールと混同されないよう注意が必要です。工程別に見ると、市場調査・コンセプト設計に1〜3か月、メニュー・オペレーション設計に1〜2か月、出店準備に2〜4か月、テスト出店・検証に1〜3か月以上を見込むのが標準的な目安です。加えて、商標登録の審査期間や深夜酒類提供の届出期限など、業態開発本体のスケジュールとは別に確認すべきリードタイムもあるため、コンセプトが固まった段階で早めに洗い出しておくことをお勧めします。

参考資料

※1 テンポスフードメディア「飲食店開業までに必要な期間はどれくらい?オープンまでのスケジュールを徹底解説!」 ※2 Cotobox「商標の審査期間はどのくらい待つのか? 5分で解説します!」 ※3 警視庁「性風俗関連特殊営業、深夜における酒類提供飲食店営業の届出」

Free PDF

「業態開発 着手前チェックリスト」を無料でダウンロード

新業態の企画・出店判断で見落としを防ぐための実務チェックリスト(PDF・全7ページ)。市場・立地分析からコンセプト設計、メニュー・価格設計、オペレーション設計、テスト出店、多店舗化判断・撤退基準まで、着手前に確認すべき項目を整理しました。

資料をダウンロードする

FAQ

よくある質問

業態開発の期間は必ず半年〜1年かかりますか?
あくまで目安です。業態の複雑さ、居抜き物件を活用できるかどうか、外部パートナーを活用するかどうかによって前後します。既存店舗の居抜き物件を活用できる場合は、コンセプト設計から1号店オープンまでの期間を短縮できることがあります。
個人が飲食店を1店舗開業する期間と、企業の業態開発の期間はなぜ違いますか?
個人の1店舗開業は最短3か月、平均して4〜6か月程度が目安とされる一方、企業の業態開発では多店舗展開を前提としたテスト出店・検証や、社内での投資判断プロセスが工程に加わるため、コンセプト設計から1号店オープンまでで半年〜1年程度を見込む企業が多い傾向にあります。
業態開発の期間を短縮する方法はありますか?
居抜き物件を活用する、外部の業態開発コンサルタントに市場調査・コンセプト設計を依頼して初速を上げる、テスト出店で検証する項目を事前に絞り込む、といった方法があります。ただし検証工程を過度に省略すると、多店舗化後に問題が表面化するリスクが高まるため、闇雲な期間短縮は避けたほうがよいと考えられます。
商標登録や許認可の手続きは、いつから始めればよいですか?
コンセプトが固まった段階で早めに着手することが望ましいとされています。商標登録は出願から最初の審査結果通知まで約5〜8か月かかるとされ、深夜酒類提供飲食店営業の届出は営業開始日の10日前までに必要になるなど、業態開発本体のスケジュールとは別に確認しておくべきリードタイムがあります。
テスト出店の期間はスケジュールにどのくらい織り込むべきですか?
季節要因や曜日による集客の波を把握するために、最低でも1〜3か月程度、可能であれば四季をまたぐ期間の検証が望ましいとされています。短期間のイベント出店だけでは、平日の集客力やリピート率までは検証しきれない点に注意が必要です。

Free Consultation

商品開発・業態開発のお悩み、
まずはご相談ください。

初回ヒアリングは無料です。業態開発のご相談は旨味転生へお問い合わせください。

無料でお問い合わせする

Start here

業態開発の基本記事

Related

Themes

テーマから探す